By OHNISHIKOHEI

自社ホップへの想い

2025年始まりましたね。

ブルワリーが始動して初めての冬ですが、私たちのブルワリーは普通の倉庫なので、めちゃくちゃ寒いです。

それでも発酵は待ってくれないし、キンキンの水に手をつけて、冷たっと思いながら日々作業しています。

2025年、私たちのホップは2年目となります。

別に自分たちで栽培しなくても、海外から高品質のホップを入手すれば良いという考え方もあると思います。

私もニュージーランドでホップの栽培に携わらなければ、自らホップを育てようとはならなかったでしょう。

醸造も農業も生物を扱います。

醸造は農業の延長線上にあるものであると思っています。

現代のビール産業では、大量生産ができるように農業と醸造は分離された形になっています。

本当は延長線上にあるはずなのに。

分離されて良かった点は、分業化による大量生産と醸造家のクリエイティブの解放とブルワリーの多様化でしょうか。

  • 分業化による大量生産は、言わずもがな、醸造と農業を分業化することにより、業務効力がお互いにアップし、世界中でビールが楽しめるようになりました。
  • 醸造者のクリエイティブの解放は、様々な国のモルト、ホップにブルワーがアクセスできるようになり、好きなスタイル好きなビールを自由に作れるようになりました。
  • ブルワリーの多様化は、本来の農地があるような広い場所の近郊にブルワリーがあったものが、ビル群の中でブルワリーができるようになったり、日本では都市型のブルワリーが爆発的に増えてきました。これがクラフトビールの認知を押し上げていった一役を担ったとも思います。

近年、ホップの形態も濃縮ホップやオイルなど様々な技術革新によって、以前のクラフトビールとは違うステージになってきたと感じています。

それを否定するつもりもないし、私たちもクラフトブルワリーとして創造力をフル回転して、喜んで使っていこうと思っています。

また、自分たちが栽培できないホップや麦芽などもできるだけ現地に赴き、その地の空気を知り、土を知り、香りを感じるように心がけています。

フローラでは時代の流れに乗るだけでなく、自分たちが自分たちであるために、原点回帰というか、その地に根を張ったブルワリーであるために、これからも醸造の農の部分は守っていきたいと思います。

Cheers