By OHNISHIKOHEI

FREESTYLE HOPSについて

あけましておめでとうございます!!今回はニュージーランドのFree Style Hops というホップファームについてです。半年前に僕がニュージーランドにいる時に見学してきました。

最近、日本とアメリカのブルワリーとのコラボビールなどで日本でも拝見することがあり、FREESTYLE HOPSもいよいよ日本に来るかなーという印象を受けました。(以前にこのホップ使っていた日本のブルワリーもあったみたいですが。)

FREESTYLE HOPSは南島のUpper Moutereという場所にあります。ニュージーランドのホップといえば、Nelson Sauvin が有名ですが、ネルソンという街にはほとんどホップファームはなく、ネルソンの近郊のタスマン地区のリッチモンド、タパウェラ、モウチュエラという3つの町でニュージーランドのほとんどのホップが栽培されています。この3つの町の間も車で1時間くらいでアクセス可能なので、ニュージーランドのホップ産地はかなりコンパクトな印象です。

ニュージーランドのほぼ全てのホップファームはNEW ZEALAND HOPSと提携しています。一方で独自でアメリカなどのブルワリーに販路を開拓しているFREESTYLE HOPSがあります。

FREESTYLE HOPSは2016年にアメリカや海外の投資家たちに買収されました。アメリカ、世界中のクラフトビール産業の成長に伴ってニュージーランドのホップの需要も高まってきていたタイミングでの買収だったのではないかと思っています。

当時栽培面積119haで なんと買収額約10億円  https://i.stuff.co.nz/business/industries/91067924/why-did-usbased-fs-investors-pour-millions-into-a-nelson-hop-farm

かなりの金額です。現在の面積は当時よりは拡大しているみたいです。

参考までに僕が働いていたホップファーム(Clyton Hops)は1年目で所有面積は約300ha、栽培面積は60haで、かかった金額が約8億円みたいでした。これから徐々に拡大していくみたいです。

彼らはおそらく現在、ニュージーランドのホップファームで唯一ペレタイザー(ホップをペレット加工する機械)を所有しており、他のホップファームやNZ HOPSとは違って、独立したホップファームです。

工程はホップを収穫→乾燥→ペレット加工まで1、2日しかかからず、尚且つ出来上がったペレットホップはすぐに冷蔵コンテナで国外に輸出されます。

マネージャーのデイビッドさんにファームを案内してもらって色々質問などしましたが、とても丁寧対応していただき、ナイスガイでした!

収穫したNelson Sauvinを匂わせてもらいましたが、エレガントでとてもいい香りでした。僕の働いていたファームでも同じような香りだったので、ファームが違ったらやっぱり香りは違うの?と質問したら、デイビッドは「ニュージーランドの各ホップファームはかなり近い距離にあるし、天候や土壌、収穫のタイミングもほとんど変わらないから香りはあまり変わらないと思う。けど、収穫のスピードはホップの質には関係すると思うよ。」と述べていました。

また、日本にはFREESTYLE HOPSのホップは輸出しないの?という質問には日本には輸出した実績はあるけど、今は日本の需要が少なくてビジネスにならないから、残念ながら輸出はしていないと言っていました。

通常日本で使われているニュージーランドのホップはNZ HOPSから輸入されたものであって、そのグループの中にはニュージーランドの数十のホップファームのホップが混ざっているわけで、誰が作っているホップなのかを私たち日本でビールを作っている人には知るチャンスはかなり少ないと思います。

昨今、何でもネットで手に入る時代だからこそ、みなさんにビールを作る人、ホップを作る人、モルトを作る人 のことをもっと知ってほしいです。

日本において、ホップに関しては小規模でしたら、個人の農家さんでも栽培可能な範囲だと思います。実際に日本の各地で小規模でホップ栽培はされています。ごく少量ですが。。。。

一般的に新種のホップが商業的に使用されるまでにかかる年数は10年と言われています。ホップが栽培できる国である日本はいつになったら日本発のホップが使えるのでしょうか? 期待ともやもやでいっぱいです。