· By OHNISHIKOHEI
国産ホップに想いを馳せる。
日本各地にもホップの産地があります。その内の一つ、上富良野町。 昔はいっぱい畑があったみたいですが、現在は少なくなってきているみたいです。これは全国的にも同じようなことが起きているといえます。作っても採算が合わないことや品種が限定的であること、果樹のように一度植えたら20年以上収穫し続けないといけない。今のクラフトビールの変化の速さに対して、品種選択肢があまりにも少なく、長期的なプランを立てても上手くいく保証なんてどこにもないと思います。ましてや10年ほどかけて育種で選抜したホップは来年には人気がなくなっている可能性もありますし、莫大な期間と資金が必要になってきます。僕が働いていたニュ-ジーランドでは国の研究機関、加工やマーケティングを担う機関、ファーマー、ブルワリーの四者間の関係がすごく上手くいっている印象を受けました。NZホップ育種の主任のロン博士は“ニュージーランドのホップは常にハイクオリティでユニークであることを追い求めている” と仰っていたこと記憶しています。日本も見習うべきことは多いと思います。言うのは易く行うのは難しですが。。。
一方国内マイクロブルワリーは海外のハイクオリティなスターホップたちの方を使いたがる傾向にあると思います。良いビールを作りたい、海外の流行りの新しいホップでビールを作ってみたいというブルワーも多いと感じます。ですが、日本で育てられたホップにもフォーカスするとそこでしか感じられないテロワールがあると僕は信じています。今少しずつですがその輪が広がっている印象を受けます。ホップを作る人、そのホップでビールを作る人、そのビールを提供する注ぎ手、それを楽しむ消費者、そのお金がみんなに還元されることはWin-Winな関係であり、それが理想であると思います。またいつか僕もその関係の輪に一役買えるように頑張っていきたいと想いを馳せるのです。